がん看護における事例を紹介

がん看護とは、がん患者に寄り添った看護を行うことです。がんは部位によっても人によっても症状が異なり、痛みや不快感、治療や副作用もそれぞれでしょう。そのため、孤独感に苛まれ、がんと告知された不安と身体のつらさで心身共にダメージを受ける人も少なくありません。そんながん患者に寄り添うのが、がん看護に携わる看護師です。

必要なスキルとしては、患者が何をして欲しいと感じているかを理解することと言えます。鎮痛薬が欲しいと訴える患者に対しその理由を聞くと、頭が痛くて眠れないという原因を把握できる可能性があります。そこで、患者が眠れないことに悩んでいたとわかるのです。頭痛を和らげるために薬を準備することも大切ですが、根本的な悩みを理解することも重要となってきます。

また、食道がんで治療中の患者の事例では、会話ではなく患者の食事量で心情を察することができるケースもあるでしょう。食事量を聞いた際、気を遣わせないようにたくさん食べたと申告する場合もあります。患者の状態を正確に把握するには、しっかりと観察してコミュニケーションを取ることが大切です。がんと宣告されたことで先のことに不安を覚えて、入院中に海に行きたいなどちょっとしたわがままを言う人もいます。そんなときは患者の言葉を否定せずに、なぜそのようなことを言うのかを考えて寄り添いましょう。実際の海は見に行けなくても、映像を見せて患者の気持ちに寄り添うことで患者の気持ちも安らぐ可能性があります。